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40代の大企業から大企業への転職|年収を上げる会社の選び方と注意点

大企業から大企業へ 40代の転職で年収を上げる 同じ文化で待遇だけ上げる

大企業から大企業への転職は、30代後半から40代の会社員が年収を上げるための、現実的な選択肢の一つです。これまでの経験や社内調整の力を、そのまま次の会社で活かせるからです。

この記事では、JTC(Japanese Traditional Company=日系の伝統的な大企業)から別のJTCへ移る転職について解説します。筆者は40代で、大企業から大企業へ2回転職しました。その経験をもとに、転職先の選び方と注意点をまとめます。

この記事の結論
  • 同じ業界・同じ職種で大企業へ移ると、経験をそのまま評価してもらいやすい
  • 転職先は営業利益率で選ぶ。10%以上がひとつの目安
  • 直接の競合は避け、企業文化は面接の外で確かめる

JTCとは?大企業かどうかを見分ける基準

JTC(Japanese Traditional Company)は、伝統的な日本の大企業を指すネット上の呼び方です。公的な定義や、従業員数・売上高などの決まった基準はありません。一般的には、次のような特徴がそろう会社がJTCと呼ばれます。

  • 新卒一括採用が中心で、入社年次による序列が強い
  • 年功序列の賃金体系と、長く勤めることを前提にした人事制度
  • 総合職は数年ごとに部署を異動するジョブローテーションがある
  • 稟議や会議など、意思決定に多くの承認が必要

私自身、JTCと呼ばれる会社で20年以上働き、3社を経験してきました。この記事でいう「大企業から大企業への転職」は、こうした特徴をもつ会社どうしの転職を指します。社風が近いため、これまでの経験や社内調整の力をそのまま活かしやすいのが特徴です。

大企業から大企業への転職が40代に向いている理由

大企業の中でキャリアを移すやり方は、再現性の高い方法です。業務の経験だけでなく、社内調整の進め方も評価の対象になるからです。

同じ業界・同じ職種なら即戦力として見られる

転職市場では、同じ業界・同じ職種の経験者は即戦力として見られます。

大企業の中途採用では、スキルに加えて、組織になじめるかどうかも見られます。同じ規模の大企業から来た人は、大企業のルールや根回しの大切さを知っていると受け止められやすいです。これは書類選考や面接で有利に働きます。

外資系やベンチャーに移る場合は、評価の基準そのものが変わります。業界の構造を学び直す必要もあり、転職活動が長引くこともあります。大企業同士なら共通の言葉で話せるため、自分の専門性を伝えやすくなります。

転職は給与水準を見直す大きな機会になる

今の会社に残ったまま、大きく昇給するのは簡単ではありません。社内の評価制度や、年功的な給与テーブルがあるためです。

転職の内定は、自分の給与水準を見直す大きな機会です。仕事の内容を大きく変えずに、給与水準の高い会社へ移れる可能性があります。

そのためには、今の会社での実績を、相手の会社が求める要件に合わせて伝える必要があります。売上や達成率などの数字で示すと、評価してもらいやすくなります。

30代のうちから実績を数字で記録しておくと、40代で転職を考えたときの準備が楽になります。

自分の経験が社外でどう評価されるかは、先に調べておくと判断しやすくなります。

筆者の実例:大企業から大企業へ2回転職した

筆者は大手メーカーで法人営業をしています。2回の転職は、どちらも同じ業界・同じ職種の中での転職です。

1回目は40代前半です。新卒から勤めた大手メーカーから、別の大手メーカーへ移りました。年収は約1,000万円から約1,100万円になりました。

2回目はその約3年後、40代半ばです。大手メーカーから、超大手メーカーへ移りました。転職前の年収は約1,150万円で、提示額は約1,300万円でした。

大企業から大企業へ移りながら、段階的に年収を上げた形です。現在の年収は約1,500万円ですが、これは入社後の昇給や賞与の増加によるものです。転職そのもので上がった金額とは分けて考えています。

2回とも管理職としての転職で、JACリクルートメントの紹介で入社しました。1回目の面談では、当時の勤務先について「転職すると格落ちになる」と率直に指摘されました。詳しい経緯は、次の記事にまとめています。

転職先は営業利益率で選ぶ

転職先を選ぶときは、会社の収益力という客観的な数字を重視しましょう。利益が出ている会社ほど、社員に還元する余力があるからです。

営業利益率10%以上をひとつの目安にする

営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合です。会社が本業でどれだけ稼いでいるかを示します。この記事では、10%以上をひとつの目安としておすすめします。

財務省の法人企業統計によると、2024年度の全産業の売上高営業利益率は5.0%でした。資本金10億円以上の大企業に絞っても7.8%です。10%以上は、大企業の平均を上回る水準といえます。

利益率の低い会社では、入社時の提示額が高くても、その後の昇給が伸びにくい場合があります。IR資料で、直近数年の営業利益率が安定して高い水準にあるかを確認しましょう。

利益に余裕のある会社は、働き方への投資にも前向きな場合があります。リモートワークや残業の削減が進んでいるかも、あわせて確認してください。

業種によって利益率の水準は違う

営業利益率の水準は、業種によって差があります。同じ2024年度の統計では、化学(医薬品を含む)が8.5%、情報通信業が8.2%でした。一方、卸売業・小売業は2.4%にとどまります。

利益率の高い業種には、特許や独自の仕組みを持つ会社が多くあります。そのため、価格競争に巻き込まれにくい傾向があります。

今の業界全体の利益率が低い場合は、職種はそのままで、利益率の高い業界へ移る方法もあります。たとえば、メーカーの人事からIT企業の人事へ移るケースです。ただし業界を変えるぶん、同じ業界での転職よりも準備が必要になります。

転職先の候補を比べるときは、次の表の項目を確認すると整理しやすくなります。

転職先を選ぶときのチェック表

大企業から大企業への転職で、応募前に確認したい5項目

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見るポイント目安調べ方
営業利益率本業の稼ぐ力10%以上大企業の平均は7.8%※1決算短信、有価証券報告書
利益率の推移直近3〜5年で
安定しているか
有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」
平均年収現職より
高い水準か
有価証券報告書の「従業員の状況」
現職との競合度直接の競合は慎重に会社のWebサイト、事業内容の説明
企業文化・働き方意思決定の進め方
リモートや残業の状況
口コミサイト、転職エージェント

※1 資本金10億円以上の企業の売上高営業利益率(2024年度)。全産業では5.0%

有価証券報告書は、金融庁のEDINETで無料で閲覧できます

出典:財務省「年次別法人企業統計調査(令和6年度)」(2025年9月公表)より作成。

大企業同士は社内の作法が似ている

業種が違っても、大企業には共通する企業文化があります。この共通点が、入社後に早くなじむ助けになります。

稟議や根回しの経験がそのまま使える

稟議の運用や、関係部署への事前の調整は、大企業の仕事の土台です。新しい会社でも、意思決定の流れや会議の進め方に見覚えのある場面が多くあります。

外資系やスタートアップ出身の人には、遠回りな手順に見えるかもしれません。大企業出身の人にとっては、長年身につけてきた作法です。

誰にどの順番で話を通すかを知っていることは、どの大企業でも役立ちます。暗黙のルールを知っていることは、新しい職場で仕事を進めるうえで大きな強みになります。

筆者も入社後の違和感は小さかった

筆者が転職した2社は、どちらも前の会社と社内のルールがよく似ていました。そのため、大きな違和感なくなじめました。

新しく覚えたのは、社内システムの使い方や独自の用語くらいです。仕事の中身でつまずくことは、あまりありませんでした。

周りの社員も、同じような大企業の文化を知る人には安心感を持つようです。人間関係を作りやすく、早い段階で評価を得ることにつながります。

大企業から大企業へ転職するときの注意点

同じ業界での転職はメリットが大きい一方、注意点もあります。事前に知っておきたい2つを紹介します。

直接の競合への転職は慎重に判断する

最も注意したいのは、今の会社と事業が完全に重なる、直接の競合へ移るケースです。顧客や製品が同じ会社へ移ると、顧客情報や機密情報の持ち出しを疑われるおそれがあります。

業界内のつながりは、想像以上に狭いものです。強引な転職は、どちらの会社にも悪い印象を残しかねません。

同じ業界でも、対象とする顧客の規模や、扱う製品の方向性が違う会社を選ぶと安心です。

⚠ 注意 就業規則や入社時の誓約書に、競業避止義務(退職後に競合企業への転職などを制限する取り決め)が書かれていることがあります。応募する前に、内容を確認しておきましょう。判断に迷う場合は、転職エージェントや専門家に相談してください。

企業文化は面接の外で確かめる

大企業という共通点があっても、会社ごとに風土は違います。トップダウンが強い会社もあれば、現場の意見を重視する会社もあります。この違いが、日々の働きやすさを左右します。

面接だけで、企業文化の全体をつかむのは難しいです。口コミサイトを見たり、転職エージェントから社内の情報を聞いたりして、面接の外でも確かめましょう。

JACリクルートメントでは、1人のコンサルタントが、担当する企業について企業側と求職者側の両方を受け持ちます。そのため、応募する企業ごとに、その企業をよく知る担当者から話を聞けます。

登録しても、転職する必要はありません。まずは自分の市場価値を知る目的で、話を聞いてみるのも一つの方法です。

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エージェントとの面談で何を聞けばよいかは、次の記事で紹介しています。

筆者がJACリクルートメントを使って2回転職した体験は、次の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

同じ業界・同じ職種での大企業から大企業への転職は、専門性と大企業の文化への慣れを、両方とも活かせる方法です。

営業利益率10%以上を目安に収益力の高い会社を選び、直接の競合を避けることで、転職のリスクを抑えやすくなります。

30代後半から40代で転職を考え始めたら、まずは自分の市場価値と、今の業界の利益率を比べてみてください。そのうえで、経験を活かせる利益率の高い会社を書き出すところから始めましょう。

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