第25回:サラリーマンの最大特権「住宅ローン」は「悪」なのか? その本質を正しく認知せよ(後編)

住宅戦略

前編(第24回)では、住宅ローンの本質的なメリット(低金利・借入期間/金額・ローン控除・団信等)について解説しました。

第24回はこちら→ 第24回:サラリーマンの最大特権「住宅ローン」は「悪」なのか? その本質を正しく認知せよ(前編)

その結果、住宅ローンはサラリーマンなら積極的に利用を検討すべき、戦略的な住宅購入を実現する「最強の金融ツール」ということがお分かりいただけたかと思います。

後編となる今回は、実際に我々が不動産購入を検討する際、「どのローンを選び、どう動いていくべきか」という実践的な内容をお伝えします。

「ペアローン」と「収入合算」の違い

共働き世帯が、住宅ローンの借入額を増やす手法として「ペアローン」「収入合算」という2つの方法がありますが、これらは似て非なるものです。

ここを理解せずに話を進めてしまうと、後から税金や保険の面で想定外の事態を招いてしまいかねません。以下にそれぞれの違いをまとめました。

項目ペアローン収入合算(連帯債務)収入合算(連帯保証)
契約本数2本
(夫・妻それぞれ)
1本
(主債務者+連帯債務者)
1本
(主債務者+連帯保証人)
住宅ローン控除夫婦両方が受けられる夫婦両方が受けられる (※持分割合による)主債務者(夫)のみ
団信の適用夫婦両方に適用
(それぞれの残債がゼロに)
民間銀行では主債務者(夫)のみが多い
(※フラット35は両方可)
主債務者(夫)のみ
手数料等の諸経費契約が2本のため
2倍かかる
1本分で済む1本分で済む

最も税制メリットと保険効果を最大化できるのは「ペアローン」ですが、諸経費が2倍かかる点や、万が一の離婚時や一方が仕事を退職した際にもそれぞれの支払い責任は残りますのでリスクが伴います。

従って、「借りられる最大額」ではなく「ライフステージの変化によって一人の収入になっても返済可能なライン」を見極めて活用することが重要になります。

個人的にはリスクをしっかり理解することを前提に、より多くのメリットを享受可能なペアローンがお勧めかな、と思います。

金融機関の「ビジネスモデル」から特性を理解する

住宅ローンを提供する金融機関は、大きく3つに分類されます。

① ネット銀行(低金利・高属性向け)

実店舗・人件費を削減しているため、金利が圧倒的に低く団信の特約も充実しています。その代わり、審査はAIスコアリング等で「シビア」に行われます。

健康状態や物件の担保評価が少しでも基準から外れると容赦なく落とされます。

ここは我々サラリーマンの「属性」が最も威力を発揮する部分でもあります。

 

② メガバンク(バランス型・対面サポート)

ネット銀行に次ぐ低金利でありながら、対面での柔軟な対応が可能です。

ペアローンの複雑な条件や、団信の審査(過去の病歴など)において、人間が介在する分、柔軟に稟議を通してくれるケースがあります。

柔軟性と信頼性から仲介会社が優先的に推奨してくるのがこのメガバンク系ですね。

 

③ 地方銀行・信用金庫(地域密着・審査の柔軟性)

金利は高めですが、物件や個人の特殊事情(築古リノベ前提、親族間売買など)に対し、最も親身になって審査を検討してくれます。

物件エリアが限定されるケースもありますが、独自色を出した商品を扱っているケースもあり、情報収集をしておいて損はありません

KEN
KEN

私はネットバンクで借り入れています。私の場合はかなり与信ギリギリを攻めていたのもあって、いくつかの銀行は普通に審査落ちましたね・・審査落ちると結構凹みますが、全く気にする必要はありません。ただ、もっと年収上げていれば・・と自分を責めていました(笑)

 

【最重要】勝つための「事前審査・逆算戦略」

さて、ここが本記事の最も重要なポイントです。

住宅ローンは、ただ借り入れる先の銀行を選べば良いわけではありません。

「いつ、審査を通すか」が優良物件の争奪戦の勝敗を左右します。

▼ 通常の住宅ローンの流れ(※この手順だと優良物件の争奪戦では大きく不利に)

  1. 理想の物件を見つける
  2. 購入申し込み書(買付証明書)を出す
  3. 銀行に「事前審査」を申し込む(結果まで数日〜1週間)
  4. 本審査 → 融資実行

人気物件が出た際、不動産業者の手元には複数の「買付証明書」が同時に集まります。

売主の立場で考えてみましょう。

「3. これから事前審査を出す人」と、「すでに〇〇銀行の事前審査を通過している証明書を持っている人」、どちらを優先して商談に進めるでしょうか?

間違いなく後者です。

良い物件を見つけてから審査を通していては、ライバルに先を越されてしまいます

 

▼ 勝つための逆算戦略(モデル物件での事前審査)

  1. ターゲット条件が定まった段階で、条件に近い「モデル物件(購入候補の類似物件)」の情報を利用して、先に事前審査を通しておく
  2. 日々のポータルサイトチェックで「本命」が出た瞬間、内見し、即座に「事前審査通過の証明」を添えて買付を入れる。
  3. 売主に「この人は確実にローンが通る、すぐ契約できる客だ」と認識させ、1番手を確保する。
  4. 本審査(物件確定後)→ 融資実行

これが、実需層間の戦いにおいて「事前審査は、本命物件が出る前に通しておくもの」と言われる理由です。

最適解を見つけるための「ダブルチェック」

では、どの銀行に事前審査を出しておくべきか。

結論は「不動産エージェントの提案と、自己調査のハイブリッド」で決めることです。

エージェントは主に自分たちが提携しているメガバンク系の審査を勧めてきます。

彼らにとって手続きがスムーズで確実ですし、融通も効きやすいからです。

この提案は「確実な一手」として申し込み先の一つに入れておきましょう。

並行して、自分自身でも一番条件の良い(特に金利が安い)銀行を見つけ、そこにも事前審査を通しておきます。

この自己調査に欠かせないツールが「モゲチェック」です。

【必須ツール】モゲチェック(住宅ローン比較サービス)

https://mogecheck.jp

自分の年収や希望条件を入力するだけで、全国の金融機関から「最も金利が低く、かつ自分の属性で審査に通りやすい銀行」をAIが判定し、ランキング形式で推奨してくれます。

しかも、そのまま事前審査まで進めるので、非常に便利です。

「エージェントの提携ローン(確実性)」と「自分で見つけた銀行(主に好条件のネットが中心)」の複数行で事前審査を通しておく。

これが最も納得感のある最適手段といえるでしょう。

KEN
KEN

モゲチェックは本当に便利なアプリだと思いました。モゲチェック経由での申し込み限定での「金利割引キャンペーン」というのも目からウロコでしたね。ただ、あまり攻めた借入額を希望すると普通に拒否されます(笑)

結論:ローンを「知る」ことが戦略的な住宅購入の第一歩

住宅ローンは、知識がない状態で不動産仲介業者に言われるがまま物件を決めて進めてしまうと、思わぬ損失を被ってしまう可能性があります。

しかし、仕組みを理解し、自分の属性やライフプランと照らし合わせて、適切に商品を選んでいけば、これほど強力な「戦略的住宅購入のブースター」は他にありません。

「怖いから避ける」のではなく「理解してコントロールする」

サラリーマンとしての与信を活用し、人生の最適化に繋げていきましょう。

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