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米国株の積立は暴落時どうする?売らずに続ける理由と3つのコツ

暴落時こそ 積立を続ける 感情より仕組みで続ける

米国株の積立投資は、暴落が起きたときこそ売らずに続けることが、資産形成の基本だと私は考えています。過去の暴落のたびに、米国は金融システムを強化しながら回復してきました。本記事では、その歴史的な背景と、不安な相場でも積立を続けるための具体的なコツを紹介します。

結論:米国株の積立投資は「暴落時こそ続ける」が基本

積立投資は、価格が下がった局面でこそ本来の効果を発揮します。安いときに多く買えるからです。逆に、暴落時に売却すると、含み損をそのまま損失として確定させることになります。まずはこの一点を押さえたうえで、なぜそう言えるのかを見ていきましょう。

この記事の結論
  • 暴落時に売ると、含み損がそのまま損失として確定する
  • 米国は暴落のたびに金融の仕組みを強化し、市場は回復してきた(ただし将来も同じとは限らない)
  • 生活防衛資金・見る指標・自動積立の3つで、感情に左右されずに続けやすくなる

なぜ暴落で不安になるのか?売ってしまう人の心理

暴落時に不安が強まるのは、自然な心理反応です。多忙な日常の中で資産の急落を目にすると、冷静な判断が難しくなります。

金融庁が2026年9月に公表した「投資信託の共通KPIに関する分析」があります。共通KPIとは、金融機関ごとの運用成績を同じ基準で比べられるようにした指標です。これによると、投資信託の運用損益がプラスだった顧客の割合は、2025年3月末時点では7割強でした。それが2026年3月末時点では、全事業者の平均で85.5%まで上がっています(出典:金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析<2026年3月末基準>」2026年9月18日公表)。

この数字が示すのは、相場の状況によって、含み損を抱える人の割合が大きく変わるという事実です。含み損は、売らなければ確定しません。大切なのは、下がったときに慌てて売らないことです。

米国経済が「暴落のたびに強くなってきた」歴史

米国市場には、大きな暴落の歴史が繰り返し刻まれてきました。そのたびに、政治・金融システムがアップデートされてきた点が重要です。

1929年の世界恐慌、1987年のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック。いずれも当時は「もう終わりだ」と思われるほどの下落でした。

世界恐慌後のFDIC・SEC設立

世界恐慌の後には、預金保険制度(FDIC)と証券取引委員会(SEC)が設立されました。銀行破綻や不正取引から投資家を守る仕組みが、このときに整えられています。

リーマンショック後のバーゼルIII

リーマンショックの後には、銀行の自己資本規制を強化する国際的な枠組み「バーゼルIII」が導入されました。金融機関が自己資本を十分に積み増すことで、同規模の破綻が起きにくい体制になっています。

暴落は市場の弱点を洗い出し、仕組みを強くするきっかけになってきました。私はこれを、市場の「成長痛」のようなものだと捉えています。

⚠ 注意 過去に回復してきたことは、将来の回復を保証するものではありません。世界恐慌のあと、ダウ平均株価が暴落前の高値を取り戻すまでには約25年かかりました。積立投資も元本は保証されず、損失が出る可能性があります。

積立を無理なく続けるための3つのコツ

積立投資を続けるコツは、感情に頼らず、仕組みで続けることです。以下の3つを押さえておくと、暴落時にも動じにくくなります。

生活防衛資金を確保する

生活費の3〜6か月分を現金で確保しておきましょう。急な出費で投資資金を取り崩す必要がなくなり、暴落時にも積立を続けやすくなります。

暴落時に見る指標をあらかじめ決めておく

日々の株価ではなく、「世界経済の成長という前提が崩れていないか」を確認する習慣を持ちましょう。ニュースの見出しだけで判断しないことが重要です。

自動積立を設定し「見ない仕組み」を作る

証券口座の自動積立を設定すれば、相場を見なくても淡々と買い付けが続きます。感情が判断に入り込む余地を減らせます。

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新NISAを活用した積立投資の始め方

新NISAは、運用益が非課税になる制度で、2024年1月にスタートしました。積立投資と特に相性の良い制度です。

年間投資枠は最大360万円で、内訳は「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、うち成長投資枠は1,200万円までとなっています。非課税期間は無期限です(2026年10月時点の制度内容。金融庁の公表情報にもとづく)。

つみたて投資枠は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETFのみが対象です。初心者の方は、まずこの枠で毎月一定額を積み立てる方法から始めるのが一つの選択肢です。ただし、NISAでも元本は保証されず、値下がりすれば損失が出ます。

知っておくと安心な米国株のアノマリー

アノマリーとは、合理的な理由が明確でないものの、経験的に見られる価格変動の規則性のことです。正確な買い時を見極めることは誰にもできませんが、過去の傾向を知っておくと、相場が荒れたときに落ち着いて判断する助けになります。

月別のアノマリーの詳細は、松井証券のコラムでも解説されています。あくまで過去の傾向であり、今後も同じになるとは限らない点に注意して、参考情報として活用してみてください。

(出典:マネーサテライト 松井証券 2025年8月29日更新)

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S&P500とNASDAQ100の違い

米国株の代表的な指数には、S&P500とNASDAQ100があります。どちらも定期的に構成銘柄を入れ替える「新陳代謝の仕組み」を持つ点が共通しています。

S&P500は、米国の主要産業を代表する大型株500社で構成される指数です。米国株式市場の時価総額の約80%を網羅しています。新規採用には、時価総額227億ドル以上(2025年7月改定。四半期ごとに見直し)、直近4四半期連続の黒字などの厳しい基準があります。GICS(世界産業分類基準)に基づき、業種のバランスも考慮されます。

NASDAQ100は、ナスダック上場銘柄のうち金融業を除く時価総額上位100社で構成される指数です。ITセクターの比率が高く、赤字企業でも成長性が高ければ組み入れられます。少数の企業への集中度が高いため、上昇局面でも下落局面でも値動きが大きくなりやすい特徴があります。

S&P500とNASDAQ100の比較

2026年10月時点で確認できた公表情報にもとづく比較

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項目S&P500NASDAQ100
構成銘柄数500社米国の大型株100社金融業を除く時価総額上位
時価総額カバー率約80%米国市場全体をほぼ網羅ハイテク中心ナスダック上場の非金融大型株に限定
新規採用の主な基準227億ドル以上直近4四半期連続黒字(2025年7月改定)成長性重視赤字企業も組み入れ対象
セクター特性幅広いセクターに分散ITセクターの比率が極めて高い
値動きの傾向分散が効きやすいNASDAQ100に比べ値動きは穏やかな傾向値動き大上昇時も下落時も振れ幅が大きい傾向

出典:S&P Dow Jones Indices「S&P Composite 1500 Market Cap Guidelines」(2025年7月1日)、同「S&P 500メソドロジー」、Nasdaq公式サイトより作成。※時価総額の基準は四半期ごとに見直されます。表は2026年10月時点で確認できた直近の公表値です。

私が暴落局面でも積立を続けられた理由

私は35歳の時点で、資産がほぼ0円でした。もともとはギャンブルや浪費にお金を使っていましたが、期待値の考え方を知って投資に切り替えました。その経緯は第2回【期待値の置き場所】のめり込む熱量を「投資」へ転換した方法で書いています。

私自身、相場が急落するたびに「今すぐ売った方がいいのでは」と不安になった経験があります。ただ、まさに戦うたびに傷つき、そのたびに復活して強くなるサイヤ人のような歴史を米国市場がたどってきたと知ってからは、見方が変わりました。

暴落のたびにシステムが強化されてきたという事実と、指数そのものに弱い企業を入れ替える仕組みが備わっているという事実。この二つを理解したことで、目先の株価に一喜一憂することはなくなりました。今では、暴落のニュースを見ても淡々と積立を続けられています。現在の資産は5,000万円超になりましたが、これはあくまで私の場合の結果です。

まとめ

米国株の積立投資は、暴落時にこそ続けることに意味があると私は考えています。これまでの歴史では、暴落は市場を弱くするのではなく、仕組みを強くするきっかけになってきたからです。

今日からできることとして、まずは生活防衛資金の額を確認し、自動積立の設定を見直してみましょう。新NISAのつみたて投資枠を使っていない方は、少額から始めるという選択肢もあります。

長期保有を前提にすれば、短期的な売り買いをする必要はありません。指数の中身を理解しておくと、暴落のニュースに振り回されにくくなります。

本記事は筆者の経験と公開情報にもとづく情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資は元本が保証されておらず、損失が出る可能性があります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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