これまでの6回の連載では、私の「自律の記録」として自らが経験してきた転機から、現在までの「自律に向けた最適化の取り組み」について一連の流れをご紹介してきました 。
第7回以降は、各テーマに特化したより詳細の内容をご紹介し、実際にどのように行動すれば各テーマにおける最適化が図れ、自律への道筋が描けるのか、解説していきたいと思います。今回のテーマは、私の人生を劇的に変えた「株式投資」との出会いについてです。
異国の地で突きつけられた「会社員としての限界」
2020年代初頭。私は家族と離れ、東南アジアの主要都市で単身駐在員として多忙な日々を送っていました 。
JTCの「優等生」として、会社にすべてを捧げ、期待に応え続けてきた自負がありました 。
しかし、その日は突然やってきました。40歳、管理職昇進試験の結果は「不合格」。
異国の地で孤独に耐え、泥臭い仕事を完遂してきた自負があっただけに、会社から裏切られたような、自分自身の価値を全否定されたような絶望感に襲われました。その日の夜、日本にいる家族との電話や、駐在地の同僚との飲み会で愚痴を吐き出すことで、なんとか正気を保とうとしていたのを今でも鮮明に覚えています。
しかし、数日が経ち、どん底まで落ちた気持ちの中に、ふと冷徹な「吹っ切れた感覚」が芽生えました。
「一つの会社に骨を埋めるという生き方は、自分の人生のハンドルを他人に委ねる最大のリスクなのではないか」
この漠然とした危機感が、私を「株式投資」という未知の世界へと突き動かしたのです。
「持株会積立」しか知らなかった私の無知
当時の私は、株式投資について驚くほど無知でした。
経験があるのは、福利厚生の一環である「持株会積立」のみ。
証券口座を自分で開設する必要があることすら知らない。
「個別株」と「インデックス株」の違いも、「投資信託」の仕組みも理解していない。
ましてや「NISA」という制度など、自分には無縁のものだと思っていました。
しかし、東南アジアの駐在先からネットやYouTubeを貪るように見始め、一から基礎を叩き込みました。この「没頭力」こそ、かつてパチスロや競馬に注ぎ込んでいたエネルギーの転換でした 。
私は帰国後のスタートダッシュを決めるため、駐在中に入念な準備を重ねました。
「証券口座の開設手順」「新NISAの戦略」「全世界株(オルカン)やS&P500といった主要インデックス商品の選定」まで、すべてを論理的に整理したのです。
衝撃を受けた「インデックス投資」の再現性と期待値
学習を進める中で、私が最も衝撃を受けたのが**「インデックス投資の再現性」**です。
これまで私が熱狂していたギャンブルは、胴元の取り分(テラ銭 20〜25%)を差し引いた、数学的に負けることがほぼ約束された「マイナスサム・ゲーム」でした 。
一方、世界経済への投資は、人口増加と企業の創意工夫に伴う「プラスサム・ゲーム」であり、長期間の分散投資を継続すれば、歴史的にほぼ負けないという事実を知ったのです。
参考データ:
金融庁が公表している資料によれば、資産形成において「長期・積立・分散」を組み合わせることで、元本割れのリスクを抑え、安定的なリターンを得られる可能性が高まることが示されています。例えば、国内外の株式・債券に分散投資し、20年間継続した場合、過去の実績では年率2~8%のプラスのリターンに収束しており、投資期間が長くなるほど結果のバラつきが抑えられるというデータがあります。
(出典:金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」)
この事実を知ったとき、私の中でこれまでの「ギャンブル依存」という過去の負債が、一気に「期待値思考」へと書き換えられました。パチスロの「高設定」を1日中追いかける労力を、世界経済の「右肩上がり」を信じる労力に転換する。
これこそが、JTCサラリーマンが取るべき最も合理的な選択だと確信したのです 。
個別株のリスクを避け、再現性に賭ける
もちろん、個別株投資の面白さや、短期間で資産を爆増させる魅力も学びました。
しかし、日々の業務に追われるJTCサラリーマンにとって、各企業の財務諸表を詳細に分析し続ける時間も意欲も、私にはありませんでした。何より、指数(インデックス)に比べてリスクが高く、私の目指す「確実な自律」には不向きだと判断しました。
私は「一攫千金」を狙うギャンブラーであることを辞め、**「極めて再現性の高いインデックス投資」**に自分の財産を託す決意をしました。
結論:最初の一歩が「会社への依存」を解く
株式投資の知識が増え、実際に資産形成のレールを敷いただけで、あんなに私を縛り付けていた「会社への依存心」が、驚くほどスッと解けていくのを感じました。
「最悪、会社で評価されなくても、私の資産は世界経済の成長と共に増えていく」
この確信こそが、精神的な自律の第一歩でした。
もし、あの時異国の地で管理職試験に落ちていなければ、私は今も「評価」に一喜一憂し、週末にはギャンブルでストレスを解消する、空虚な日々を送っていたかもしれません。
あの「屈辱の日」が、私の人生の最適化を始める最高のきっかけになったのです。
読者の皆さん、
もしあなたが今、組織の論理に疲弊し、将来に漠然とした不安を感じているなら、まずは「証券口座の開設」という、誰にでもできる最初の一歩から始めてみることをおすすめします。それは単なる金儲けではなく、自分の人生のハンドルを取り戻すための、物語の出発点になるはずです。
次回は、株式投資の入金力や住宅ローンの与信を高めるJTCサラリーマンの「属性」「給料」を向上させる為の戦略的ハイクラス転職について深掘りしていきます。


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